Category Archives: サラワク村落部実態調査

サラワク州カピット郡調査&計画

2012 年 9 月 12 日~年 9 月 16 日

事前調査

サラワク州カピット郡カピット町、ムジュン川、バレッ川流域(ラジャン川中流域上流に於ける障害児(者)の生活支援

 

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2012年9月・・・現地訪問

事業実施の背景と必要性

東南アジアの優等生とも言われるマレーシアは、多民族・多宗教であるが紛争や大きな対立がなく、街部の発展が著しい。しかし、ボルネオ島の辺地などは依然貧しく、電気、電話、病院、警察などもなく障害のある人たちは学校もにも行けない地域が少なくない。交通の便も悪く、ボートしか移動手段のない地域もある。こうした不利が重なり、さらに障害をもつ人々への支援の仕組みが、社会の健全な発展のためには欠かせない。しかし行政さえも把握出来ていないのが現実である。

事業の目標

地理的、社会資源的に不利な状態におかれている障害児(者)の生活の状態を把   握し、ボートなどによる家庭訪問型の支援(リハビリ)を継続して行い、障害を持つ人たちのQOLを高める。不利の重なる人たちの発達促進と地域全体の活性化はBHNそのものと言える。。併せて、NGOと行政の連携により、今後の辺地福祉モデルを構築する。

事業の対象者

ラジャン川(マレーシア、サラワク州の最長の川)中流域上流(シブの川岸から   スピードボートで2時間45分)に位置するカピット町周辺及びその上流のロングハウス約20棟、全体の関係者数(住民)は約2000~2500人程度、直接的なリハビリ対象の障害児者数は20人程度と推測される。

事業実施後、期待される成果及び活動

【成果】

(1) 行政も持たない初の少数民族散在地域の障害者の実状が掌握できる。

(2) 実状やニーズに基づく支援事業により、本人及び地域の活性化につながる。

(3) 地元有力者や行政の関心の高まり(マスメディア)による世論の変化が期待
出来る。

【活動】

(1) 様々な不利の重なる人たちへの支援モデルを作成、実施する。

(2) 行政と協力して、支援システムをつくり、公共に働きかける。

(3) 平成26年度中に正規事業とするため、車輌、ボートの購入計画を作成する。

事業実施チーム構成

エヴェラン ビジュ(PDK責任者)・ラオ シュウ ティング(理学療法士)・

Dr,ヒ-(小児科医)・チュウ・シオック・チェン・中澤 健 ・中澤 和代

調査事項の概要

本事業の必要性を上記チームにおいて再確認し、現地を査察した結果、ラジャン川支流であるムジュン川、バレッ川流域を支援活動実施地域と定めた。一方、カピット町から道路を使って移動可能な辺地の障害児についても対象とすることとし、様式6に述べるスケジュールを作成した。この活動を全体として”Toy boat project”と称することとした。上記地域にボート及び自動車を使って訪れたが、人々の暮らしは貧しく、障害をもつ人は何もすることなく過ごしていた。日本では想像出来ない状況であった。なお、この地域が、危険な要素はなく安全性が保たれることを確認することが出来た。

調査結果の概要及びこれを踏まえ判明した実施地が抱える問題点とニーズ

具体的には、交通の便、リハビリ用具の圧倒的不足、スタッフの不足及びスタッフの訓練の必要性などが挙げられる。しかしその前の、呪術的なところから来た障害観の問題、貧困、複雑に絡み合う重複した社会的不利と、ニーズそのものが問われたことがない(障害児のみならず家族も)という問題がある。現地専門家チームが意欲的で成果が期待できる。

 

計画の具体的内容

本計画は、基本的に道路で都会部とつながって居らず、つながっていても極めて悪路、又は川をボートで移動するしかない地域を対象としている。ボルネオの奥地にはそういう場所が多く、そういう地域に暮らす少数民族の人たちは相当数存在する。学校はある程度建てられているが、学校に行けない子ら、すなわち平和な国なのに何らの支援も受けられないで居る人たちが多く暮らし、援助を待っている。本事業は、正にBHNの観点から支援行動を行うものである。

①   対象地域のロングハウス、学校、クリニックの訪問。障害のあるロングハウス居住者について、障害の特性、年齢、性別、本人のニーズや特性を考慮した支援(リハビリ)活動をを行う。併せて、家族構成や家庭の収入等を把握し、さらに必要で可能な支援は何かを、長期的援助のケースとして行政に報告し問題を行政と共有する。

②   障害児者へのリハビリ活動を通じて、現地スタッフの技術的指導を行い、スタッフの資質の向上を図る。

③   玩具のよる(Toy Boat)プレイセラピーだけでなく、音楽による(Music Boat)、医療チームによる(Medical Boat)など、様々なバリエーションを工夫して行う。

④   現地専門家、日本の専門家による意見交換を密にし、より質の高い支援策を探る

⑤   事業全体と成果を地元で報道機関に示し(記者会見)、世の人々の関心を高める。また、行政と協力して、施策化をはかる。

 

2013年3月・・・現地訪問

 

 

 

 

 

最終的には、不利な条件が重なる中で暮らす人々が、その人らしさを発揮して暮らせるように、支援マニュアルをつくり、弱い少数の人たちを粗末にしない社会づくりに資すること。地域福祉実践は、弱い目立たない命を守る活動であることを証す援助活動を行う。

 

3月23日

Sibuの街で、有志が集まり、Kapitで、使用するボートについて、話し合いが持たれました。

あちら、こちらから、まるで、予測されていたように人が集まり、物事が進みます。このプロジェクトの始まりは、4月1日です。

 

 

 

 

 

 

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続 学校訪問 中学校(2005.10.28)

Sedaya中学校(生徒数1,300人)

この中学校は、創立より25年経過している。
90%が寮生活をしながら学習している。
問題は、経済的理由で学校に来ることができない子どもたちがいることである。
全校の子どもたちの出身地は、Kapit、Sibu、その他で、広範囲をバーしている。
学習障害をもっている子どもたちは、20人余りおり、Slow learnerと呼ばれている。

この日、20人の内、8人の子どもたちと会わせてもらって、簡単なインタビューを行った。
自分の名前と自分の住んでいるロングハウス名は、書ける子どもたちであるが、中には、仲間にアルファベットを教えてもらいながら、やっと書く場合もあった。しかし、表情は明るく、将来の夢として、兵隊、先生、看護婦、警察官などと答え、この国での公務員指向が垣間見えた気がした。教員ひとりが同席していたので、それぞれの子どもたちの心の問題には触れることができず、いくつかの質問には全て肯定的な答えが返ってきた。実際にこの子どもたちは、将来どのように過ごすのだろうか。もっと親しくなって、本音を聞いてみたいし、家族のこと、ロングハウスに戻った時の過ごし方などを継続的に聞けたら、と感じている。来年早々に再度の訪問の約束をし、学校を去った。

*川の上流・山間部などの調査を通じて、少しずつ進めて行きたいと思っています。

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初回 学校訪問 小学校(2005.10.1)

Bawan地区小学校

1957年スタート

全寮制
以前はKnowitまで送って行った。学校に行かない子どもも多数いた。
現在はほぼ100%教育を受けている。少数の子どもは働きに出ることもあるので長期欠席もある。
過去3年間は休みつつ時々登校で問題ない。

1年生:29人 2年生:26人 3年生:25人 4年生:37人 5年生:30人 6年生:26人 長期欠席:2人

教員:16人 サポートスタッフ:5人

Specialニーズ(Slow learner)のある子どもについて
各クラス1~2名を集めてちがう教育をしている。(現在12名)
毎日ではなく、例えば日曜日に英語・国語・算数のみ。あるレベルに達すると普通クラスに戻る。
特殊クラスにずっと残る子どももいて、他の方法はない。
教員は、スペシャルトレーニングを受けている。

毎年、年末休暇前に学校全体でクラスの再編成を行う。

全寮制の目的と効果

家に帰ると勉強をしない。ロングハウスにいると、親は働いており子どもの面倒は見られない。食物の保障もない。
心身の安全と勉強の環境を整えるためにこの方法をとっている。寮の設備はまだ充分とは言えない。
現在、男子79人・女子82人であるが大きな2室しかなく、そこで全員が暮らしている。今後徐々に整えていきたい。

保健
医師・看護婦はいない。問題が起きた時、1年に1回、レンタルナースを雇い、チェックしてもらう。

金銭負担
学校・教科書代・寮費・食事代ともに両親の金銭負担はない。全て政府負担である。大学も同じ。
ただし、チャイニーズスクールとプライベートスクールは別。


マレーシアはすごい!と言うと、校長先生「いや、人々は貧しい」と…。
しかし、「豊かさ」というものの本質について、考えさせられた。
第一、子どもの目が輝いている。将来に夢をもって勉学に励んでいるし、子どもたち同士で助け合っている。

ロングハウスのもみ蒔き

ロングハウスのもみ蒔き

子どもたちも参加

子どもたちも参加

休日帰省の子どもたちがサッカー

休日帰省の子どもたちがサッカー

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サラワクにおける調査途中報告(2005.8.1)

~2005:2006年の活動状況~


調査

市街地(クチン、シブ、ビンツル)の福祉資源、利用者、地域の調査をしました。その後少数民族の村落部の状況調査。求められているものと可能性の分析を通じて、地域社会のあり方、望ましい福祉サービスのあり方を模索し、支援方法を検討したいと思っている。

マレー半島とボルネオ島

マレー半島とボルネオ島

サラワク州・サバ州

サラワク州・サバ州

サラワク州都クチン

サラワク州都クチン

クチン市

クチン市

調査中のBawan地区 ロングハウスMap

調査中のBawan地区 ロングハウスMap


ボートだけが移動手段のラジャン川流域のロングハウス-1

ボートだけが移動手段のラジャン川流域のロングハウス-1

ボートだけが移動手段のラジャン川流域のロングハウス-2

ボートだけが移動手段のラジャン川流域のロングハウス-2

木材の切り出し

木材の切り出し

父親の帰りを待つ子どもたち

父親の帰りを待つ子どもたち

切り立った山の奥地にもロングハウス-1

切り立った山の奥地にもロングハウス-1

切り立った山の奥地にもロングハウス-2

切り立った山の奥地にもロングハウス-2


クチンから車で7時間、ラジャン川支流周辺の村落、Bawan地区にも17のロングハウス(現在調査中)

*現時点での進行状況・・・ラジャン川支流のBawan川に沿った17ロングハウスの概要調査。
現時点で17カ所から回収済み
調査協力者・・・Ms.Merlyn Mr.Michael 土屋弘道

*現段階のまとめ

  1. ロングハウスの規模・・・最大29家族128人 最小10家族63人 全家族数254家族 1,256人(普段住んでいる人706人)
  2. 設備・・・電気、電話0 自家発電14 水道12 プロパンガス10 携帯電話7
  3. 昼間は何をしているか・・・農業13 手工芸10 果樹園4 林業2 会社4(例えば運転手) 家事、育児
  4. ロングハウスの子どもたち・・・学齢児の数305人 学校に行っている子ども 294人 学校に行っていない子ども  21人
    ・学校に行かない子どもの理由・・・能力・本人が行きたくない・経済的理由
    ・学校の寮を利用している子どもの数 161人
  5. 何が望まれているか・・・現金収入・仕事・電気、水道、道路、門、土地・フェンス・ロングハウス建設費用
    安全対策、造園等環境整備・イバンの伝統を守りたい
  6. 支援を要する人たち・・・貧困者・病気の高齢者・家族間に問題をもつ人たち

*今後の調査の方向

  1. 訪問インタビューを通じて・・・要支援者の実情・学校へ行かない子どもたちの実情・無職者の実情
    日常の娯楽について
  2. 学校訪問・・・子どもたちの学校生活・教育の内容等

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商業音楽の音楽賞