はじめに

RCS(ボルネオ)の新しい活動について・・・ 中 澤 健
ラジャン川は、サラワク州を流れる最も長い川です。茶色い水がゆっくり流れるこの川の畔から上流を眺めて先ず思ったことは、ここから繋がる奥地はどんなだろうか、そこにはどんな人たちが住んでいるのだろうかと言うことでした。
現在地シブの大きな船着き場からスピードボートで約3時間のカピットという小さな街に始めて行き、ドクロが天井から下がっているロングハウスを訪ねた時、これから自分がすべき活動が見えたような気がしました。それはまだ現在の「ムヒバ」の活動も始まっていない時期のことでしたが、神様の啓示のようにも思いました。私の使命は此処にあると、その時以来の思いが段々形となり、いよいよ今年4月から始まろうとしています。
実際には、実にシンプルな活動です。日本に「おもちゃ図書館」がありますね。障害を持った子どもたちが、母親と其処に行き楽しみます。気に入ったおもちゃを借りてきたり、そこでお友達が出来たりします。日本にはいろいろな交通手段がありますが、マレーシアではそうは行きません。電車もなく、バスも定期的でないので、ペナンでは「移動おもちゃ図書館」を始め、”JOM”(一緒に遊ぼう、生きよう!)と名付け家庭訪問を始めました。今度の計画は、道路がないならボートで、という計画です。ボートにおもちゃを乗せて奥地のロングハウスを訪問しようと言うことです。
名付けて”Rajang Toy Boat Project”です。実際にはボートに音楽を積んで行けば「ミュージック・ボート」ですし、医療チームなら「メディカル・ボート」、セラピストなら…、いろいろな可能性があります。具体的な現地の人たちとの話し合いも、段々と熱を帯びてきています。現地メンバーには、カピットの病院の医師、理学療法士、元教員、カピットPDKの責任者なども加わり、カピット福祉局も協力を約束してくれました。この段階で、日本の国際ボランティア貯金のおそらく最後となる配分金を頂けることが決まりました。ボートの借り上げや燃料代など、馬鹿になりません。300万円近い配分は本当に助かります。これには本当に心から感謝しています。
私は、この単純明快というか、シンプルな試みには大きな意味があると思っています。ボルネオのラジャン川上流地域のロングハウス、いわば奥地で暮らす貧しい人々、加えて障害がある人たちが主役です。学校にも行けず、もしかしたら生涯ロングハウスの中で過ごすかも知れない人たちに笑顔を、いずれは友を、先のことを楽しみにする思いを届けたいと願っています。
不利の重なる人たち、と私は言っています。陰に隠れて目立たない、願いがあっても発信力が弱い人たちのLife(いのち、暮らし、人生)を応援するのが本来の福祉活動のはずです。日本は高齢化社会で、福祉対象者がある意味で目立ってきたために、大変な新しい課題を生んでいますが、本来は制度や予算に縛られず、隠れがちな応援を待つ人を見つけて寄り添うこと、なのではないでしょうか。そんな思いで、私は真剣にこの活動と取り組みます。見守って頂けたらとても嬉しいです。

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